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いま「ぼく自身がのび太である」と言いましたが、これはその、口先ばかりの謙遜(けんそん)というふうに受け取られちゃあ困るんです。本当にのび太です! 別にいばって言うことじゃないんですけど……(笑)。これはひとつ信じていただかないと、この話の大前提がくずれてしまうので。ま、どのように"のび太"であったかを、ちょっと申し上げてみたいと思います。
まず、ぼくはかなり物心ついた段階から劣等感の固まりでありました。幼稚園なんかでも、お弁当を食べるといつまでもモグモグ口を動かして最後に残っちゃうようなぼくであり、みんなでかけっこをするとビリケツになるのがぼくであり、とび箱1回も飛べず、懸垂(けんすい)はついに1回も上がれず……、そうして卒業して、現在にいたっております。だから団体競技というのが大きらいなんです。
他の人たちに迷惑かけちゃ悪いってことを、つい考えちゃうんですね。ほとんどの子どもたちっていうのは、運動会大好きですね。「その日は晴れてくれ」と願って、てるてる坊主を飾ったりする。そんな中で「雨ふれ雨ふれ!」なんてひそかに思ってたのがぼくなんです。
そして、学校の成績。いくらなんでも、のび太ほどじゃなかったです。でも、まあ、いばれるほどの成績でもなかったですが。小学校のころはそれでもそこそこやってたんですけど、中学、高校と進むにしたがってだんだんと下降の一途をたどりました。で、高校出るころにはもうビリから数えた方が早いというところまで落ち込んじゃってて。「野比のび太に明日はないのか?」―そういう状況だったんですけど、そういうときの唯一の救いがマンガだったんです。(つづく)
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